くげの民話街道感想

 

今までに遠野に行き民話の舞台に触れることはありましたが、

実際の生語りはこの日がはじめてでした。

この日は、用事があったので会場の整理券をもらうことができずに

キャンセル待ち、という状態でした。

そして開演の10分前にようやく座ることができました。

席は真ん中ぐらいとまずまずのところ。

すぐ斜め前の席には今回の民話街道を教えてくれた

黒比丘尼がいました。そして、開演。

 

1.河童こまいぬ (菊地玉さん)

夏に河童淵に行き河童狛犬を見学した私にとりましてなんともタイムリーでした。

何よりも最初の方で奉公に来ていた下男の扱いがひどいのは

この民話ができた時代がそのような時代だからだったのでしょうか(笑)

河童の狛犬は見たものの実際の話を聞くのは実は今回がはじめてでした。

河童淵が昔はもっと大きく流れが急だったりしたことなどの情報も語られ

あの時の記憶がよみがえる感じでした。

後日、図書館で河童淵の話を読みましたが

今回聞いた話と少し趣が違いました。

後日、メールマガジンにでも配信したいと思います。

さて、一番印象に残ったのが

和尚さんが河童におこなった説教。

和尚さんはお前の言うこともわかるだがな…と説教をはじめたんだと

とだけだったんです。

和尚がどんな説教をおこなったかが気になります(笑)

 

2.蚕になった姫コ (藤原晴子さん)

有名な蚕の話といえば「おしらさま」です。

「おしらさま」は馬と娘の悲恋の話ですが

この「蚕になった姫んコ」はおしらさまのような悲劇性は薄く

むしろ、生まれ変わりがおしらさまよりも明確になっている分

同じ蚕のいわれでも全く違う話はおもしろいですね。

この話で印象に残ったのは

姫んこにつく虫だから大事にしなければ

気持ち悪いとは思わないだろうか!!!

もし、遺体に虫についたら私はふりはらいます。

決して大事にしません!!!

でも、見ようによりましては

昔は人と虫(蚕)の結びつきが深かった表れではないでしょうか。

 

3.猿地蔵 (成田キヌヨさん)

この猿地蔵は、今回の話の中で私が知っている話です。

ですが、私が知っている結末は

猿が川を渡っている時に笑うか笑わないかの違いだったんですよ。

猿が住む穴の世界にまで行くのは

鬼がばくちをする話やおむすびころりんに通じますね。

ちなみにここで一つお詫びを。

猿の宴会での歌ですが、実際に忘れてしまいましたので

遠い記憶を引っ張り出して歌を再現しましたが、

実際は全く別なものと思います。

ご了承ください。

 

4.神様から授かった屁 (成田キヌヨさん)

キヌヨさんが連荘での語りです。

神様も罪作りなことをするといいますか、何も屁に言葉をつけなくても(笑)

泥棒も泥棒で、よく屁から言葉が出ていると思いますが

何もきゅうりをつめなくても(笑)

私はてっきりきゅうりが飛んで泥棒にあたり気絶するものだと思いましたが

確かに腰は抜かしますね。

腰を抜かすぐらいの屁ですから(笑)

 

5.藤兵衛とっさ (早川寿さん)

ここからは早川さんが舞台を見ているような感覚の語りとなります。

バックには榊原さんの演奏とともに民話が語りというよりも

演技という形です。

あえていうなれば語り部さん達を静とすれば

早川さんは動というものでしょう。

この藤兵衛とっさも沼からの

藤兵衛とっさ

の呼びかけにエフェクトがかかっていたりと

見事な演出だったと思います。

 

6.父恋し (早川寿さん)

この話は鳥の話となっておりましたが、

わたしはかえるの親子の話で聞いたことがあります。

最後の

どどーこいしー

の繰り返しがなんともいえず哀しいです。

それにしても母親が墓の位置を確かめに行かなかったのかが不思議(笑)

 

7.猿の生き肝 (早川寿さん)

この話も有名な昔話です。ただし、この話を改めて聞いてみますと

語りという魅力を再認識させてくれる感じがしました。

それにしましても

ずっと疑問だった乙姫の容態ですが

見事な落ちをつけてくれたことで

長年の疑問が解消しました!!!

いやー、得した(笑)

 

というわけでこの日は終わりました。

はじめての語りは

いままで知識としての民話が経験の民話になり、

やっぱり語り部にはかなわねぇなぁ

と思いながらも、

このことが民話のメルマガでどこまで自分の語りができるかを

挑戦してみたい!

と思うようになりました。

この民話街道がいまのメルマガがあります。

長い年月がなければ再現できないかもしれませんが

こんな二十代の字で配信する語り部(書き部)がいても

いいじゃないですか。

というわけで、

このことを教えてもらい、TOP絵の語り部をかいていただきました

黒比丘尼にこの場を借りてお礼を申し上げます。

 

 

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