河童狛犬

 

 

皆さんは河童淵は見たことはありますか

昔の河童淵というのは今よりも川幅は広く流れも急だったんだと

そこに河童が住んでいて時に馬や人を川に引きずり込んでいたんだと

そんな河童淵近くにある常堅寺にある世にも珍しい河童の狛犬

それにはこのようないわれがあるそうだ

 

 

むかしむかし、遠野にある金持ちの家があったんだと

そこの家には、暮らしが貧しいので子供のうちから使用人として働かされていたのがたくさんいたんだと

そんなある日、

旦那がまだ寝ていた使用人にを起こして

馬を馬小屋に入れたままにすっと体が腐るから近くの川に連れいけ

といわれて、使用人は馬を連れて川に行ったんだと

最初は馬を洗っていたがやっぱり子供

馬ほっぽりだして遊びに行ってしまった

そこに川の中から河童が出てきて馬の尻尾にしがみついたんだと

馬はそのまま屋敷の馬小屋に戻ったんだと

旦那はいつのまにか馬が戻っているのを見て

なんだ、あのやろっこ川にでも落ちたのか

まぁ、いいどうせかわりのやろっこはいくらでもいる

といって探さなかったんだと

そして、馬小屋にかぎをかけてしまったから河童の方はさぁ大変

馬も次第に暴れ出したので旦那が馬小屋に戻ってみると

馬小屋のなかにはかっぱがおったんだと

旦那は、今まで河童に人や馬を川に引きずり込まれて殺されていたので

家中のものを呼びついに河童を捕まえたんだと

そしていざ殺そうとした時に

お寺から和尚さんがやってきて

こんな夜更けになに騒いでいるんだ

と、言うので旦那がこれこれこういうわけでと和尚に話すと

わかった、みなの気持ちはよくわかる

だがな、殺されるを黙って見ているわけにはいかない

どうだろう、わしがよぉく言い聞かせるから

勘弁してけろ

というので、旦那達も和尚さんに任せっぺ

ということにしたんだと

和尚は河童になぜ人を川に沈める、というと

人食っていかなきゃおらたち生きていくことができね

というので和尚さんは

お前の言うこともわかるだがな…

と説教をはじめたんだと

河童は、わかった。もう悪さはしねぇ

というので和尚さんは河童を逃がしてやったんだと

そんなある日、お寺が火事になったんだと

和尚さんは慌てて近所の人を呼んだんだと

そしていざ火を消そうとすると

もうお寺の火はすっかり消えていたんだと

和尚さんは誰が消したんだ

と聞くが誰もおれじゃねぇ、というのだった

不思議に思った和尚が水の落ちているところを辿っていくと

あの、河童の住む川についたんだと

和尚は、河童が助けてくれたんだと

河童にお礼を言おうとしたんだが、それ以来河童に会うことはなかったんだと

和尚はせめてもの感謝の気持ちと河童の形をした狛犬をお寺に作って置いたんだと

これが河童狛犬のいわれだそうだ

どんとはれ

 

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