神様から授かった屁

 

むかし、若い時からまじめに働いていたじいさまがいたんだと

歳をとっても毎日毎日働いているもんだから

子供たちは心配していたんだと

だが、じいさまに仕事をやめてゆっくりしなせぇ

と、いってもじいさまは

うんにゃ、まだまだ働ける

と、聞く耳持たなかったんだと

子供達はなんとかじい様に仕事をやめてもらいたいと

蔵の番を頼むことにしたんだと

蔵の番なら歳をとったじい様なら寝てしまうだろうと考えたんだと

じいさまは、快く引き受けて

その日の晩、蔵の中に入りちびりちびり酒を飲んでいたんだと

そしたらじいさまはうとうとして、ついに寝てしまったんだと

それを見ていた神様がかわいそうに思い

じいさまに言葉のする屁を授けたんだと

そうしたら闇夜にまぎれて泥棒が蔵の中に入ってきたんだと

泥棒は蔵の中で品定めをしていると

そこにいるのはだれだ

と声がしたんだと。

泥棒は驚いて聞き耳を立てたんだと

そしたら

そこにいるのはだれだ

とまた声がしたんだと。

泥棒はよーくさがしてみたんだと

そしたらその声はじいさんの屁だということがわかって

こんなにうるさくちゃ仕事ができねぇ

と、裏の畑からきゅうりを引っこ抜いてじいさまの尻にいれたんだと

さぁ、これで仕事が出来ると品定めをしていると

だんだんじいさまの腹がはってきて

ついに尻からきゅうりがぽーんとでて

 

そこにいるのはだれだ

そこにいるのはだれだ

そこにいるのはだれだ

と大きな屁がでたんだと。

そしたら寝ていた家のもんが

なんだなんだと言って蔵に駆けつけると

泥棒がびっくりして腰を抜かしていたんだと

それからというもの

じいさまの働くのをだれもとめようとはしなくなったんだと

まじめに働いている人には

ちゃーんと神様がみているんだってな

 

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